Satoshi Ishikawa, Yuriko Ozeki, Satomi Suga, Yasuhiko Mukai, Haruka Kobayashi, Erina Inouchi, Shaban A. Kaboso, Gebremichal Gebretsadik, Desak Nyoman Surya Suameitria Dewi, Akihito Nishiyama, Yoshitaka Tateishi, Hayato Takihara, Shujiro Okuda, Shiomi Yoshida, Naoaki Misawa, and Sohkichi Matsumoto
Scientific Reports, Published: 12 March 2022
福山市立動物園のふくちゃんは、結核を発症し、本邦ではじめて結核治療を受け治癒したアジア象です。園の方がふくちゃんの入国以来、ヘルスチェックのために採血して保存していた16年間分の血清について、結核菌蛋白質に対する抗体価の推移を調べました。
その結果、来日時からESAT6/CFP10抗体が高値であったことから、ふくちゃんは無症候感染のまま来日したことが示唆されました。また、ふくちゃんが結核を発症する2年前から、Antigen 85B(α抗原)抗体価が、急上昇したことが分かりました。
20億人におよぶ無症候感染者から結核の患者さんが発生します。しかし発症前に、発症傾向を検出する技術は未開発です。本成果は絶滅危惧種で結核感受性の象における結核診断に加え人での結核発症前診断に、特定の結核菌抗原に対する抗体測定が有用であることを示唆しています。
参考
福山市立動物園の結核にかかったゾウ「ふくちゃん」を救いたい!
https://readyfor.jp/projects/fukuzoo
Asian elephant Fukuchan recovers from tuberculosis
https://www.youtube.com/watch?v=yVCkhBZb8fI
写真:ふくちゃんの爪のケアをする、石川智史君
Yukiko Nishiuchi, Yoshitaka Tateishi, Hiroshi Hirano, Yuriko Ozeki, Takehiro Yamaguchi, Mari Miki, Seigo Kitada, Fumito Maruyama, and Sohkichi Matsumoto
「Direct attachment with erythrocytes augments extracellular growth of pathogenic mycobacteria」
Microbiology Spectrum ,6 March 2022
肺MAC症の一部は、現代の難病ともいえる様相を呈しています。肺MAC症患者さんやMAC感染動物の病理組織の検討で、MACが赤血球にも感染していることに西内先生が、気付きました。そしてMACと人の赤血球を混合すると、MACがよく増殖することが分かりました。この増殖は、赤血球内ではおこらず、細胞外増殖で、赤血球と直に接着する必要があり、そのレセプターは、補体受容体1(CR1)やシアロ糖タンパク質でした。結核菌など、他の病原性抗酸菌でも、赤血球の存在が、菌の増殖を亢進することが分かりました。
これまで、結核やMAC症などの、非結核性抗酸菌症における、貧血や肺から他臓器にどのように拡散するのか、よくわかっていませんでした。今回見いだした、病原性抗酸菌と赤血球の接着とそれによる増殖促進が、貧血や他臓器への電波に関与している可能性があります。
Tohru Abe, Mariko Hakamata, Akihito Nishiyama, Yoshitaka Tateishi, Sohkichi Matsumoto, Hisashi Hemmi, Daijiro Ueda, Tsutomu Sato
The FEBS Journal ,24 February 2022
イソプレノイドは、ホルモンやフェロモンなどとして機能したり、 薬剤・香料・機能性食品素材として人間生活に利用されています。イソプレノイドは、全てのプレニル基の二重結合が、E型と、Z,E 混成型の二つに分けられます。阿部君、佐藤先生達は、病原性抗酸菌を含む抗酸菌に、新しいタイプのZ,E 混成型プレニル基還元酵素(Z,E-mixed heptaprenyl reductase (HepR))があることを発見しました。抗酸菌は、多くの多量な脂質成分を含む細菌種です。抗酸菌の環境での生存、病原性抗酸菌の病原性や免疫原性に、関与しているとおもわれます。
参考;新潟大学 プレスリリース 2022年3月3日付
https://www.niigata-u.ac.jp/wp-content/uploads/2022/03/220303rs.pdf
2021年12月24日、教室の大掃除行い、その後Zoomにて忘年会を開催しました。
P3に実験に入ったまま参加できない学生さん達もいましたが。。。残念。
お弁当は、バイオフィルム学会でオーダーしてとてもおいしかったので、Quatre-Vingtsに再びオーダーしました。
充実した一年でしたか? お疲れ様でした。来年もがんばりましょう!
12月22日クラボウ株式会社様から勝圓様と牧浦様が来訪されました。
久しぶりのお客さんです。
ワクチン設計のサイエンスについての総説が出版されました。
竹石 惇樹、長田 秀和、松本 壮吉。
BCGベクターワクチン設計のサイエンス。医学のあゆみ。279号、No 10、p1041-1046、2021
結核菌の病原因子Zmp1が、ミトコンドリアの分子を標的として、抗菌活性を担うIL-1β産生を抑制することを発見しました。
GRIM-19 is a target of mycobacterial Zn2+ metalloprotease 1 and indispensable for NLRP3 inflammasome activation.
Kurane T, Matsunaga T, Ida T, Sawada K, Nishimura A, Fukui M, Umemura M, Nakayama M, Ohara N, Matsumoto S, Akaike T, Matsuzaki G, Takaesu G.
FASEB J. 2022 Jan;36(1):e22096. doi: 10.1096/fj.202101074RR.
抗治研(2021年 12月4〜5日)にて、下記の演題を発表しました。
「Efficacy of Lysocin E against Mycobacterium tuberculosis」
Geberemichal Geberetsadik, Akane Inaizumi, Akihito Nishiyama, Takehiro Yamaguchi, Hiroshi Hamamoto, Aki Tamaru, Amina Shaban, Mariko Hakamata, Aleksandr Ilinov, Yuriko Ozeki, Yoshitaka Tateishi, Kazuhisa Sekimizu, Sohkichi Matsumoto
特別講演 「最近のおもしろそうな研究と、結核や非結核性抗酸菌症の診断法」
松本 壮吉
結核菌に特異的な遺伝子espDが、結核の診断に有用である下記の論文が、Int J Mycobacteriol.に掲載されました。
The espD full gene as a potential biomarker in active pulmonary tuberculosis.
Mertaniasih NM, Surya Suameitria Dewi DN, Soedarsono S, Kurniati A, Rohman A, Nuha Z, Matsumoto S.
Int J Mycobacteriol. 2021 Oct-Dec;10(4):421-427. doi: 10.4103/ijmy.ijmy_198_21.
ウイルスについての本を分担執筆しました。
創薬研究者がこれだけは知っておきたい最新のウイルス学。「BCGのウイルス感染症に対する効果と組換えBCG」
技術情報研協会、東京。534-543、2021
竹石惇樹、松本 壮吉、藤井 雅寛。
インドネシアの多剤耐性結核患者、喀痰のメタゲノム解析をおこなった、Wiqoyah N, Mertaniasih NM等の論文が、Int J Mycobacteriol.に掲載されました。
Microbiome in sputum as a potential biomarker of chronicity in pulmonary resistant to rifampicin-tuberculosis and multidrug-resistant-tuberculosis patients.
Wiqoyah N, Mertaniasih NM, Artama WT, Matsumoto S.
Int J Mycobacteriol. 2021 Jul-S
西山晃史講師がホストとなった第5回抗酸菌研究会(2021年11月20日開催)において下記の演題を発表しました。
1. 「アジアゾウの結核:日本初の治療例とそこから得られた知見について」
石川 智史 等
2. 「Assessment of usefulness of Mycobacterium tuberculosis protein in diagnosing pulmonary tuberculosis patients」
Desak Nyoman Surya Suameitria Dewi & Ni Made Mertaniasih et al.
3. 「抗酸菌のイソプレノイド生合成に関わる鎖伸長酵素と還元酵素の機能解析」
阿部 透 等
4. 「Existence of extracellular DNA on pathogenic mycobacteria and its role in mycobacterial pathology」
Aleksandr Illinov et al.
5. 「早期発症者と長期潜伏後発症者より分離した結核菌北京株のゲノム解析」
袴田 真理子 等
6. 「In vitro & in vivo efficacy of Lysocin E against Mycobacterium tuberculosis」Geberemichal Geberetsadik e et al.
第56回細菌学会中部支部会(2021年11月12-13日 会長 吉田友昭先生)に参加し下記の演題を発表しました。
1. 「M. intracellulare 臨床菌株の比較ゲノム解析による類縁菌種との異同およびゲノム多様性についての検討」 立石 善隆 等
2. 「抗酸菌ヒストン様蛋白質による天然変性領域を介した新規のDNA 凝集メカニズム」 西山 晃史 等
3. 「Existence of extracellular DNA in pathogenic mycobacteria and its role in
mycobacterial physiology」 Aleksandr Ilinov 等
Airlangga University, Guest Lecture(Oct 30th, 2021)(下記)で、160名を超える聴講がありました。
「Next generation sequencing for the research of mycobacteria」 Sohkichi Matsumoto
基礎配属実習(9月6日-10月29日)
佐藤 健龍君、渡邉 啓太君、仲丸 宝良君が来てくれました。
研究、楽しんでくれたでしょうか。
The 19th Awaji International Forum on Infection & Immunity (Sep 28th to 30th , 2021)にて、下記の講演を行いました。
Symposium 1, Bacteriology 「The molecular and structural mechanisms of inactivation of DNA function in mycobacterial dormant persisters」
Sohkichi Matsumoto & Akihito Nishiyama.
http://awaji-forum.com/2021
2021年8月27日、第35回日本バイオフィルム学術集会(On line開催。大会長 早稲田大学 常田 聡 先生)に参加し、下記の講演と演題発表をおこないました。
https://www.biofilm.sci.waseda.ac.jp
1. シンポジウム 「臨床医学から見たバイオフィルム〜」
結核・非結核性抗酸菌におけるバイオフィルム
立石 善隆
2.Extracellular DNA of slow growers of mycobacteria and its contribution to biofilm formation and drug tolerance
Aleksandr Ilinov, Akihito Nishiyama, Hiroki Namba, Yukari Fukushima, Hayato Takihara, Chie Nakajima, Anna Savitskaya, Shaban A. Kaboso, Yuri S. Vinnik, Gebremichal Gebretsadik, Mariko Hakamata, Yuriko Ozeki, Yoshitaka Tateishi, Shujiro Okuda, Yasuhiko Suzuki, and Sohkichi Matsumoto.
ダブルディグリープログラムで、2018 年10月に来日し、博士課程に在籍した、Aleksandr Ilinov君が、立派に学位審査を終え、ロシアに帰国しました。筋トレと音楽が趣味の彼でしたが、もうフルートの生演奏を聴けなくなるかと思うと寂しい限りです。博士論文では、遅発育性抗酸菌が、菌体外DNAをもつことを発見しました。帰国後は一転、外科医としての活躍が期待されています。
Поздравляю с окончанием школы!
第96回 日本結核・非結核性抗酸菌症学会総会(2021年6月18,19日、大会長 東名古屋病院 小川 賢二 先生)に参加し講演しました。
https://www.kekkaku.gr.jp/jst96/
シンポジウム 「抗酸菌の宿主免疫」
BCGと新型コロナウイルス感染症(COVID-19)
松本 壮吉
Alex君、難波君等の下記論文が、Scientific Reports誌に採択されました。
Aleksandr Ilinov, Akihito Nishiyama, Hiroki Namba, Yukari Fukushima, Hayato Takihara, Chie Nakajima, Anna Savitskaya, Yuri Vinnik, Gebremichal Gebretsadik, Mariko Hakamata, Yuriko Ozeki, Yoshitaka Tateishi, Shujiro Okuda, Yasuhiko Suzuki, & Sohkichi Matsumoto
抗酸菌は、速育菌と遅発育菌に分類されますが、後者は、結核菌やMAC症の起因菌など、病原性菌が多いことが知られています。本論文では、FACS解析により、遅発育性の抗酸菌が細胞外にDNAを有していることを見いだし(一方で速育抗酸菌では、ほぼ認められない)、それがペリクル型のバイオフィルム形成や抗菌薬耐性に関わることを示しました。さらに染色体DNAと菌体外DNAの次世代シーケンサー解析により、結核菌やM. intracellurareでは、ゲノムと同一配列の菌体外DNAが、M. aviumでは、ゲノムDNAに加えてファージDNAが菌体外に蓄積していることを発見しました。
例年よりサクラの開花が早かった令和3年4月、
北原知樹さん、山崎智也さん、五十嵐美波さん、萩野公香さん、遠藤明伸さんが修士課程に
長田秀和さんが博士課程に加わりました。
また、研究支援員として目黒佳未さんが加わりました。
入学・入局おめでとう。
昨今、感染症研究の重要性が高まっています。がんばりましょう。
立石 善隆 等の論文が、BMC Microbiol誌に採択されました。
非結核性抗酸菌(NTM)症の主要病原体であるものの、ゲノム解析が進んでいなかった、Mycobacterium intracellulareとその近縁種について、総計55株の次世代シーケンサー解析に基づく、詳細なゲノム解析を行いました。その結果、M. paraintracellulare, M. indicus pranii and M. yonogonense は独立種というよりも、M. intracellulareの亜種であること明確にし、提言するに至りました。
袴田 真理子さん(呼吸器・感染症内科学)が、ヒトに感染した北京型結核菌のゲノム変異解析に関する成果で、学位を取得しました。本研究成果は、日本結核・非結核性抗酸菌症学会賞など、多数の賞をいただきましたが、最後に、新潟大学学長賞にも選ばれました。
今後も益々の活躍が期待されます。
https://www.med.niigata-u.ac.jp/contents/info/news_topics/140_index.html
快挙! 2020年10月15日に開催された「みかんの会」(新潟大学医学部医学科大学院生の研究発表会)にて当教室の学生3名が医学研究賞を獲得し表彰されました。
井内さん、修士一年での優秀賞「すごい」ですねー。
新潟大学若手医学研究賞
1. 結核診断に有用な抗原の検討および発現時期の観察
井内 絵梨奈 修士課程1年
2. A molecule regulates metabolism ensuring the survival of Mycobacterium tuberculosis var. BCG
Shaban Amina Kaboso 博士課程1年
3. ゲノム編集技術を用いた、結核菌分子の機能解析
袴田 真理子 博士課程4年
2020年10月11〜12日、Web開催にておこなわれた、第95回日本結核・非結核性抗酸菌症学会総会にて、袴田真理子が、「早期発症者と長期潜伏後発症者より分離した結核菌北京株のゲノム変異解析」について発表し、「若手の医師・医療従事者・研究者のご発表の中から選抜される優秀演題」として、Young Award優秀賞を受賞しました。おめでとうございます。
閉会式・表彰式の模様
https://www.kekkaku.gr.jp/jst95/portalsite.html
2020年10月、袴田、瀧原、岩本、田丸等の論文が、Scientific Reports誌に採択されました。
世界に拡散した結核菌は7系統に分類でき、その中でLinage 2に属する北京型結核菌は東アジアに多く、ヨーロッパに多いLinage 4と並んで、病原性が高いことが知られています。一方、結核菌の進化速度は、病原細菌のなかで極めて緩慢で、ゲノムあたりおよそ0.1塩基/年ほどの変異率でしかないと言われていました。
本研究では、本邦で生じた“北京型結核菌株による、あるアウトブレーク”から、複数の人に感染しそれぞれ異なる期間を経て発症に至った菌株のゲノム解析を行った結果、他の系統よりおよそ10倍高い変異率であったことを報告しました。また早期発症者由来株では、変異率が高く、長期潜伏菌においては低いものの、酸化ストレス依存的な変異が多いことも分かりました。
およそ10年間におよぶ追跡により、本研究ははじめて、人に感染し発症せしめた結核菌北京株のゲノム変化を解析した結果、他の結核菌系統よりも変異率が高く、それが、北京型結核菌の高い適応性や薬剤耐性率の要因である可能性を示しました。
長期間の免疫刺激が可能で、強いアジュバント活性(免疫賦活活性)がありながら、安全で実績のある、結核ワクチンBCGを用いたCOVID19ワクチン開発を行います。
https://www.niigata-u.ac.jp/news/2020/73341/
BCGは、結核以外の呼吸器感染症などにも効果があり1、COVID19への効果も期待されています2, 3。
1, https://www.cell.com/cell/pdf/S0092-8674(20)31139-9.pdf
2, https://www.pnas.org/content/117/30/17720
3, https://www.nature.com/articles/s41577-020-0337-y
2020年8月28日-29日、第34回日本バイオフィルム学会学術集会、第57回日本細菌学会中部支部総会の合同学会を、コロナ禍を鑑み、完全オンラインーリアルタイムで開催いたしました。延べ162名の参加を得てトラブルもなく、またオンラインのメリットも活かされて、充実した会を開催することができたと思います。
講演賜りました先生方、参加いただきました方々、協賛いただきました企業・病院様に感謝です。
1, TNseqを用いてMycobacterium intracellulareの必須遺伝子を初めて同定し、プレスリリースを行いました。
https://www.med.niigata-u.ac.jp/contents/info/news_topics/126_index.html
2, 結核の新薬、デラマニドが、NADとのアダクトを形成することを初めて明らかにし、それが抗菌活性に関わることを示し、プレスリリースを行いました。
https://www.med.niigata-u.ac.jp/contents/info/news_topics/128_index.html
客員研究員の横山 晃 先生(東京大学呼吸器内科へ)とテクニシャンの小林 悠さん(旦那さんの移動により)が共に東京に移動しました。
一方、井内 絵梨奈さんが大学院修士課程に、竹石 惇樹君が大学院博士課程に入学、小林 悠さんの後任に伊藤 祐子さんが赴任しました。
コロナ禍で歓送迎会を催せなかったのは残念です。
結核ワクチンBCGの接種をとりやめた国のCOVID-19発症者は、死亡率が高い、つまり「COVID-19の重症化とBCG接種は、逆相関する」、と指摘されています。一部の国ではBCG接種効果の治験が始まりました(下記事)。
Can a century-old TB vaccine steel the immune system against the new coronavirus? Mar. 23, 2020, Science.
Could BCG be used to protect against COVID-19? Redelman-Sidi G, Nat Rev Urol. 2020 Apr 27
Cameron M. Green, Stephanie Fanucchi, Jorge Dominguez-Andres, , Ezio T. Fok, Simone J.C.F.M. Moorlag4, Yutaka Negishi, Leo A. B. Joosten, Mihai G. Netea & Musa M. Mhlanga
Mandated Bacillus Calmette-Guérin (BCG) vaccination predicts flattened curves for the
spread of COVID-19 Martha K. Berg, Qinggang Yu, Cristina E. Salvador, Irene Melani, Shinobu Kitayama
Differential COVID-19-attributable mortality and BCG vaccine use in countries
Anita Shet1, MD PhD*, Debashree Ray, PhD, Neelika Malavige2, MBBS PhD, Mathuram Santosham1, MD
Is BCG vaccination causally related to reduced COVID‐19 mortality?
Masayuki Miyasaka
EMBO Mol Med (2020)12:e12661
SARS-CoV-2 Rates in BCG-Vaccinated and Unvaccinated Young Adults
Uri Hamiel, MD1; Eran Kozer, MD1; Ilan Youngster, MD, MMSc1
JAMA. 2020;323(22):2340-2341.
BCG vaccine protection from severe coronavirus disease 2019 (COVID-19)
Luis E. Escobar, Alvaro Molina-Cruz, and Carolina Barillas-Mury
PNAS, July 9, 2020
BCG(正式名、Mycobacterium tuberculosis var. BCG、旧 Mycobacterium bovis BCG)は、結核菌の弱毒株で、接種後しばらく人体に持続感染する生ワクチンとして接種されます。BCGの接種や20億人に及んでいる結核菌の無症候感染自体が、人の免疫系を活性化し、抗酸菌症以外の病気に対しても何らかの抵抗性を付与して、接種者の健康や、古くは人類の生き残りに関わってきた可能性も想像されます。
実際にBCGは、膀胱癌の再発防止に明かな効果があり、またツベルクリン反応(結核菌に対する細胞性免疫応答)陽性とアトピーの逆相関も報告されています。
慎重な検証が求められますが、BCG接種がCOVID-19に本当に有効ならば、BCGの利用検討や、何故か?を明らかにする必要があります(松本記)。
立石等の下記論文が、Scientific Reports誌に採択されました。
Genome-wide identification of essential genes in Mycobacterium intracellulare by transposon sequencing — Implication for metabolic remodeling, Sci Rep, Published: 25 March 2020
非結核性抗酸菌(NTN)症の主要な病原体である、Mycobacterium intracellulareの必須遺伝子、すなわち薬剤標的候補を、トランスポーゾンシーケンス(TN seq)によって全ゲノムレベルで、はじめて特定しました。
NTM症は、近年増加が著しく、また難治性で問題となっています。本論文がNTM症の創薬において重要な情報源になることが期待されます。
新潟大学医学部細菌学教室 〒951-8510 新潟県新潟市中央区旭町通一番町757 新潟大学医学部西研究棟内
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