低酸素応答の解析と、抗酸菌症の新しい診断法開発
肉芽腫は、抗酸菌症に特徴的な病変で、感染抗酸菌を取り囲むマクロファージとT細胞の集積体ですが、その内部は低酸素化することが知られています。好気性である結核菌は低酸素環境でも生存し、また宿主は低酸素環境でも結核菌を攻撃しなければなりません。そのメカニズムを解析しています。
当研究室では、肉芽腫の低酸素環境を再現し、試験管内で休眠菌を作成することができますが、眠った菌から産生される抗原(蛋白質や脂質)を特定しマーカーとして用いることで、新しい感染診断法の開発を行っています(Oka et al 2013 M&I, Niki et al 2015 J Immunol Res, Ohara et al, PLOS ONE, 2018)。
無症候の結核菌感染者は、結核の発生母体ですから、無症候感染(潜在性結核)を診断し、予防を講じることが根本的な結核対策となります。このような感染診断法の開発は、国立病院機構刀根山病院など、各地域の結核・抗酸菌症の中核病院との連携で進められています。
(Maekura et at 2019 Micribiol Immunol, Tria et al, Brad J Infect Dis 2019)
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